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2022年5月29日日曜日

Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR 50mm F4を使ってみました

今回は、Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR 50mmF4のお話です。

レンズ構成3群4枚のテッサ―型です。テッサ―と言うと寄れないレンズというイメージがありますが、長い鏡筒の中に入れて繰り出し量を確保すれば作れるんだよということをこのレンズが教えてくれています。その代わりレンズは非常に奥まったところにあり、開放F値がF4ということもありレンズ小さっ!という印象です。

鏡筒の先端に書かれている数値は、撮影倍率です。この時代はTTL測光ではない一眼レフカメラもありましたから露出倍数を計算する時に必要だったのでしょう。ちなみにこのレンズの撮影倍率は1/2倍です。Super-Multi-CoatedのつかないMACRO-TAKUMAR 50mmF4は等倍まで寄れるそうです。

さて実写ですが、開放F値が4ということもあり開放からキレのあるコントラストの高い描写です。しかも倍率色収差も軸上色収差も少ないです。50年前のレンズとは思えないです。

逆光ではフレアが出ますが時代を考慮すればむしろ逆光に強いレンズと言えるのでないでしょうか。レンズ構成枚数の少なさが逆光に対する良い結果を生み出していると思われます。

一方で気になったのはボケが汚いことです。特に後ボケが二線ボケ傾向でマクロでは背景をボカして処理したいことが多いので正直に言って使いにくいなぁ、と思いました。フィルム一眼レフの全盛期にあったズームレンズのマクロ機構で撮ったかのような写りといえばわかりやすいでしょうか。

気になって他の人の作例やコメントを見てみたのですがボケが汚いという意見はありませんでした。もしかすると私が使っている個体の問題か撮り方が下手くそなのかもしれません。

絞り羽根は5枚です。はっきりとした五角形ができるので特長を生かした写真を撮るように心がけたいですね。

私が知る限り、マクロレンズでテッサ―型構成というものは他に知りません。個性という意味ではとてもいいレンズですが、ボケを上手くいかせる技術がないと使いこなすのは難しいなぁ、と思いました。








2022年5月22日日曜日

Super-Takumar 55mm F1.8を使ってみました

K&F CONCEPTのKF-42Zで遊ぶ第2弾です。

今回は、Super-Takumar 55mm F1.8を使ってみました。5群6枚の変形ガウス型で定評のある写りとタマ数も多く安価で入手しやすいレンズです。

マニアックな人のために、このレンズは前期型/後期型がありますが、私が持っているのは後期型です。後期型は硝材に酸化トリウムが含まれていて放射線を出すので「アトムレンズ」とも呼ばれています。もちろん健康に影響はないレベルですが…。

今となっては、レンズ硝材に酸化トリウムは使えないので昔ながらのレンズとも言えるでしょう。その写りは優等生で良く写ります。

さすがに最新レンズと一緒とまでは言えませんが、開放から結構シャープでボケは前後ともなめらかかつ綺麗です。

下の写真はF4まで絞ってみました。キレキレで葉脈までしっかり解像しています。絞り羽根6枚なのでボケは綺麗な六角形です。


マルチコーティング以前の製品ですが色被りも少ないです。酸化トリウムは、レンズが黄変を起こすことで有名ですがこのレンズはUV照射をしたことがあるせいかその影響も見られません。

逆光で撮ると見事なゴーストが出るようですが、今回は曇り空だったので撮ることができませんでした。


良い意味でオールドレンズらしさが希薄なレンズです。オールドレンズと言うと個性的な描写が好まれる傾向があるので、こういった優等生レンズはあまり人気がないのかもしれませんね。








2022年5月13日金曜日

Zシリーズのカメラはレンズ情報手動設定がExifに記録されないのか?

今回はニコンZシリーズのレンズ情報手動設定に関するお話です。

マウントアダプタを使用したり電子接点のないレンズを使用する場合、レンズ情報手動設定が必要です。この設定はボディ内手ぶれ補正で使っている為、必ず設定する必要があります。このレンズ情報手動設定で入力したデータがExifに記録されるか?ですが、ネットで検索すると記録されないと書かれていることが多いです。

Z6+PANCOLAR 50mm F1.8

実はこの情報ちょっとした誤解があります。

ニコン純正のマウントアダプタFTZを使用した場合レンズ情報手動設定が記録されるのです。FTZIIは未確認ですがニコン純正品ですのできっと同じでしょう。

Z6+FTZ+DESPINA 50mm F2.8(Exifが記録されています)

FTZ/FTZII以外のマウントアダプタや電子接点がないZマウントレンズを取り付けた場合はレンズ情報手動設定がExifに記録されません。オールドレンズユーザはこのパターンが多いのでレンズ情報手動設定がExifに記録されないという情報がひとり歩きしているものと思われます。

Zマウントカメラのレンズ情報手動設定が記録されるのは電子接点があるレンズのみで、電子接点がないレンズを取り付けた時はレンズ未装着と判断してExifにレンズ情報が記録されない仕様のようです。FTZは電子接点のあるマウントアダプタだからExifに記録されるのでしょうね。

Z6+Zuiko50mmF1.4

Fマウント以外のレンズを装着する場合はサードパーティー製の電子接点マウントアダプタが発売されれば問題は解決するでしょうけど、レンズ情報ごときのために高いマウントアダプタを買う人はほとんどいないでしょうからきっと出ることはないと思います。他に裏技はないか、実はExifのどこかにひっそりとレンズ情報が記録されているのではと詳しく見てみましたが残念ながら発見できませんでした。

Df+Planar 85mm F1.4

ちなみにFマウントのニコンDfはレンズ未装着でもレンズ情報手動設定が記録されますが、そういう仕様にしないと成り立たないからそうなっていると思われます。

この記事を書いていて気づいたのですがFTZは公式には非Aiレンズは非対応になっています。だったらAiレンズ連動カプラーつけてくれればAiレンズも開放測光に対応できるのに、と思うのですが…。AF-Sレンズを使用しているユーザーが使えれば良いと割り切った仕様になっているのだと思います。さらにFTZは旧製品でした。短命ですね。

2022年5月8日日曜日

宮ヶ瀬カブミーティング

5月第2日曜日の宮ヶ瀬カブミーティングです。

9時半過ぎに着いたのですが鳥居原の駐輪場は満車で入れなかったので暇つぶしに宮ヶ瀬ダムを一周してきました。

Huawei P30

スマホで撮ったら空のトーンがイマイチだったのでPhotoShopで晴れた空を合成して捏造してみました。違和感なく合成できるもんですね。

ダムを一周した後は駐輪場へ入れたのでバイクを端っこの方に停めてカブを眺めてみます。

Huawei P30

2,3年前までは30台くらいカブと同じ顔ぶれのおっさんの集まるミーティングだった気がするのですが、最近は30台どころじゃないし年齢層もぐっと若返った印象です。なんか完全にアウェーな気分。

Huawei P30


PowerShotG7X MKII

色が全然違っててすみません。カメラが違うとここまで違うんですね。Huawei P30は超広角のライカビビッドというカラーモードで撮っているのですがかなり彩度が高くなります。

Huawei P30

写真には写っていませんが発売されたばかりの新型クロスカブ110もいました。カブもチューブレスホイールとディスクブレーキが標準装備の時代です。チューブタイヤとドラムブレーキが古いとか珍しいと言われる時代が来そうです。

今回も滞在時間30分ほどで宮ヶ瀬を後にしました。

Huawei P30

はっぴ商店に立ち寄りおみやげの唐揚げ購入。濃いめの醤油とニンニク強烈な香りが強い個性のある味なのですが時々食べたくなります😀


2022年5月4日水曜日

ドライブインA

久しぶりの廃ツーリングは国道沿いのドライブイン廃墟です。

名前はドライブインA。小さなドライブインですが交通量の多い国道沿い峠付近にあるため目立ちます。

Z6+Z 14-30mm f/4S,

御宴会場という看板が目印です。外観は落書きが多く見られます。正面入口のドアは閉まっていましたが施錠はされていませんでした。

Z6+ZZ 14-30mm f/4S

中は物が大量に置かれていて物置にされていたような印象です。誰かが生活した跡のようにも見えますが夜でも車の往来が多いので居心地はあまりよくなさそうです。 
この建物は1階が店舗(ドライブイン)、2階が居住スペースだったようです。地下もありましたが光の回らない時間帯だったため今回は行きませんでした。

2階は衣服や置物が残されている他はほとんど物がありません。部屋は若干埃っぽい臭いはしますが窓が開けられているためか、廃墟特有のかび臭は少なかったです。

Z6+Z 14-30mm f/4S

日本人形が放置されていました。霊感の強い人は色々見えるのでしょうが霊感ゼロの私には何にも見えません。普通に可愛い人形だと思います。

Z6+Z 40mm f/2

幸せを招く先祖霊の祀り方という本がありました。著者は一世を風靡した霊能力者冝保愛子です。TVでは恐怖心を煽る心霊現象の語り方が印象的でした。

Z6+Z 40mm f/2

まさか心霊現象に悩まされてお店共々放棄した?なんてことはないでしょうね。

1階に戻ってきました。
営業当時のメニューがあります。カレー、ラーメン、うどん、そば、丼ぶり、ドライブインの定番が揃ってました。

Z6+Z14-30mmF4S

ちょっと変わっているなと思ったのが日本酒の1級、2級という表記。この制度は1992年に廃止されているのでこのメニューはそれ以前に作られた可能性が高いです。ネクターと書かれた冷蔵庫、天井に設置された扇風機も昭和の雰囲気を感じます。

厨房は他の場所の荒れ放題からすると意外なほど整理整頓されていました。

Z6+Z 40mm f/2

厨房に残されている食器類がお店にしては少なく冷蔵庫も小さい気がします。もしかしたら廃墟になる以前からドライブインとして営業していなかったのかもしれません。

Z6+Z 24-70mm f/4S

廃墟になったのは2010年のカレンダーがあったのでこの頃かと思われます。カーテンがまだキレイでしたし、液晶一体型PCなどもあったので2010年頃迄生活していたのはほぼ間違いないと思います。

Z6+Z 40mm f/2

ここのオーナーは、1980年代後半に結婚式をあげて姉弟の2人の子どもがいました。

Z6+Z 40mm f/2

経営者家族のものと見られる写真が多数あり店舗に掲出された食品衛生管理者の名字と一致していたので間違いないでしょう。

Z6+Z 40mm f/2

廃墟になった理由はおそらく夜逃げでこの物件は差し押さえられているため物の移動や建物の解体ができないからと言ったところでしょうか。普通の引っ越しで衣類や思い出の品を大量に残して行くとは思えません。

Z6+,Z 14-30mm f/4S

この問題が解決したらすぐに解体されてしまいそうな気がします。

Z6+,Z 24-70mm f/4S

おまけ:
建物の外にはナンバープレートが並べてありました。地名の後の数字が2桁だったのでかなり古いナンバープレートと思われます。調べたところ数年前にこの廃墟を訪れた人も同じナンバープレートの写真を撮っていましたので長い間ここに放置されているものと思われます。犯罪の臭いがプンプンしますね。

Z6+,Z 14-30mm f/4S