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2022年4月26日火曜日

K&F CONCEPTのKF-42Zを購入しました

K&F CONCEPTのKF-42Z(Z→M42マウントアダプタ)を購入しました。

M42レンズを使うのは久しぶりでレンズの特性をすっかり忘れてしまいましたので新しくレンズを買った気分になって使ってみます。

手始めにHELIOS44-2を使ってみました。ツアイスのBIOTARコピーと言われている典型的なダブルガウス型で58mmF2です。所謂ロシアンレンズですが、私が持っているのは1980年製造のMede in USSRと書かれている旧ソ連時代のものです。

私の持っているレンズは状態が悪くて鏡筒のガタツキがあり、絞りリングは動きが硬く、フォーカスリングはスカスカ、後玉は細かなキズが多いです。

そんなレンズで撮った写真は非常に個性的で逆光ははっきりとした形状が出る心霊写真のようなゴーストが出ます。

Z6+HELIOS44-2

発色も補正しないと黄色くオールドレンズっぽい描写が楽しめます。

Z6+HELIOS44-2

ぐるぐるボケと言われる非点収差が原因のボケが特長ですが、これを出すのは非常に難しいです。

Z6+HELIOS44-2

後ボケはぐるぐるした感じはなくとも煩いボケが常に付きまとっています。全体的にコントラストが低く中心以外は描写が甘いです。使いにくそうと思った人、正解です。使い勝手も写りも癖が強めです。真面目に写真を撮っている人から見たら不良品と言うでしょうね。でもそれが面白いんですよ。

PANCOLAR50mmF1.8も一緒に持って行きました。

PANCOLAR50mmF1.8は東ドイツのCarl Zeiss Jena製の変形ガウス型構成のレンズです。写りはコントラストが高くてシャープで35cmまで寄れます。

Z6+PANCOLAR50mmF1.8

Z6+PANCOLAR50mmF1.8

逆光は少々苦手ですが時代を考えればむしろ優秀というべきかと思います。HELIOS44-2と一緒に使うとまともな写りにちょっとびっくりします。実用性が高すぎてオールドレンズにならないのが欠点でしょうか。ツアイスってすごい。

最後にINDUSTAR-61L/Z。

1960年代?から生産されているレンズですが私が持っているINDUSTAR-61L/Zは、2004年製造の正真正銘ロシア製ロシアンレンズです。50mmF2.8のテッサ―型レンズ構成で30cmまで寄れて、絞りをF5.6~8に設定すると絞り形状が星型になるレンズです。今回はそこまで絞らなかったので絞り形状で個性を見出すことはしませんでした。

Z6+INDUATAR-61L/Z

テッサーというとシャープでコントラストの高い描写を想像しますがこのレンズはイメージと異なり柔らかめでやや低コントラスト。その代わりボケは綺麗です。

Z6+INDUATAR-61L/Z

マクロレンズ並の30cmの近接能力がありますがマクロレンズのようなカリカリ描写を期待すると裏切られてしまいます。あくまでオマケです。

Z6+INDUATAR-61L/Z

M42レンズはあとSuper-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR50mmF4とSuper-Takumar55mmF1.8を所持しています。これらも暫く使用していないので使ってあげようと思います。

K&F CONCEPTのKF-42Zを購入することでしばらくの間死蔵していたM42マウントレンズを復活させることができました。しかし、所有するM42マウントのレンズが5本あって全部標準レンズとは…変態にもほどがありますね。


2022年4月16日土曜日

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 IIIを使ってみました

 ファーストインプレッションは、以前のブログを参考にしてください。

フォーカスリングの回転角は公称320°で、緻密なピント合わせには便利ですが、速写性には劣ります。このレンズの性格を考えると前者を優先すべきかと思いますのでコンセプトには合っているでしょう。フォーカスリングの動きは滑らかで無限遠から最短までムラのない重さです。

絞りは開放F0.95からF16まで設定できます。クリックがない上にしかも不等ピッチなので今設定している絞り値がわかりません。開放側のピッチが広くて最小絞り側のピッチが狭いです。その為、開放から半分くらい回したつもりでも指標はF4を指しています。開放付近を使ってほしいという狙いがあるような気もしますが絞り操作は慣れを要します。

絞りは円形絞りを謳ってませんが、絞り羽根が11枚もありますのでボケの形状は円形に近い形になっています。

なお、フォーカスリングや絞りリングの回転方向はニコン純正とは逆です。

フードは花形で内部は植毛がしっかりと行われていて効果は高そうに見えますがロックが弱いため不用意に回ってしまう可能性があります。着脱がスムーズではなく金属製の鏡筒にフードが無理に入っている印象です。実際フードが削れて紙縒りのようなものが発生していましたので耐久性は低いと思われます。正位置で止まった時のクリック感は中古で入手した時からありませんでしたが削れてしまったものと思われます。因みにフードは逆付けできますが、止まらずに360°回転します。フードは全般的に使い勝手が悪いです。

描写については、開放F0.95は柔らかい描写で全体的にハロとコマフレアの影響でコントラスト低くハイライトには色付きが目立ちます。F0.95なのでピントが合う範囲が狭くて非常にシビアですが、ハロの影響でピントの合っている位置が曖昧なので実写をみると思ったよりラフでも平気かなと思いました。この柔らかい印象は絞りF2.8まで残っています。

後ボケは輪郭の縁取りと色付きが見られます。また、若干ぐるぐるボケの傾向がありますが目立つほどではないためでこれを生かすのは難しいと思います。ちなみにぐるぐるボケの原因となる非点収差は絞っても改善されない収差です。

F0.95ならではの特長としては背景をボカして整理することが可能なことでしょうか。必要以上にボケますのでF値の設定は慎重に行う必要があります。

柔らかい描写が特徴の現代的設計のオールドレンズです。このレンズをF1.4やF2まで絞っても高性能が特徴の昨今のレンズの絞り開放の描写レベルには到達しません。実用レンズとして使うのはちょっと無理で開放F0.95~F2.8位までの柔らかい描写を楽しむのが正しい使い方だと思います。

50mmF0.95が実売9万円以下で買えるというのは破格ですが、9万円という価格は一般人からしてみれば十分高価です。中古では5万円台が多く大手中古カメラサイトだと複数在庫がありタマ数は意外と豊富なようです。このくらいの価格であればコスパの高い大口径標準レンズとしてお勧めできると思います。


2022年4月13日水曜日

相模川芝ざくらラインをちょっと古めのレンズで撮ってみました

芝ざくらラインは管理団体が2021年で解散したという話で存続が危ぶまれていましたが今年は何とか手入れをしてくれていたようで綺麗な花を咲かせてくれていました。雑草も増えていたし芝ざくらまつりのホームページも2020年中止のアナウンスを最後に更新がされておらずやる気があまり感じられない印象です。

我が家からはバイクで30分弱なのでやってなくても別にいーや的な発想でぷらっと行って来ました。

今回は普段あまり使ってない最新でもないしオールドレンズとも言えない中途半端な古さのレンズを使ってみました。使わないのであれば売ればいいんでしょうけど元々二束三文で手に入れたレンズは売っても大したお金にならないのでそのまま持っていることが多いです。

Df+28mm F1.8EX DG

28mmF1.8EX DGは2001年発売と20年以上前のレンズです。レンズ構成9群10枚、非球面レンズが2枚、フローティング機構、絞り羽根9枚という贅沢な設計ですがマクロ域の開放の甘さとかアンバー寄りのカラーバランスに設計の古さを感じます。

Df+28mm F1.8EX DG

AF/MFの切り替えはフォーカスリングを引いて切り替える機構を採用していますが、この製品はひと手間多くフォーカスリングを引く作業に加えてレンズ根元にあるAF/MF切替スイッチも操作する必要があります。

このレンズの最大の欠点は逆光の弱さです。はっきりと出る青緑系のゴーストはレタッチで悪目立ちしてしまうことがあるので使いにくいです。特に広角は太陽がフレームに入ることが多いので使いにくいです。

芝桜は確かに咲いてはいましたがだいぶまばらです。川沿いを散歩しながら眺める分には十分満足できると思いますが写真目当ての人は物足りないと思います。

下の写真は密集しているところをZEISSのMakro-Planar 50mm F2ZFで切り取ってみました。

Df+Makro-Planar 50mm F2ZF

ちょっと古めなんて書きましたがこのMakro-Planar50mmF2ZFが発売されたのは今から15年前の2007年です。レンズ構成は6群8枚で典型的なダブルガウス型のボディ側に2枚レンズを追加した構成になっています。描写はカリカリにシャープでコントラストが高くキレのある写りは古さを微塵も感じさせません。

Df+Makro-Planar50mmF2ZF

芝桜がまばらなので一部を切り出したくなるのでマクロレンズの方がしっくりくることを想定してタムキューことSP90mmF2.8MACRO(モデル172E)も用意してきました。Makro-Planarとは対照的な柔らかい写りと非常になめらかなボケが特徴です。発売は1999年と20年以上前ですが優秀なレンズです。

Df+SP 90mm F/2.8 MACRO

そんな172Eの古さを露呈してしまうのが逆光のフレア。画面全体のコントラストが大きく低下します。

Df+SP 90mm F/2.8 MACRO

逆光でフレアが出ること以外は結構いいレンズだと思います。中古で1万円以下で入手できるお勧めできるレンズだと思います。

Df+SP90mmF2.8MACRO

最後は川沿いの空き地に放置されていて廃車体を撮って終了しました。シグマ28mmF1.8EX DGのアンバー味の強い発色を生かしたレタッチをしてみました。これはこれでいい雰囲気が出たかなと勝手に思ってます。

Df+28mm F1.8EX DG






2022年4月9日土曜日

散りゆく桜をオールドレンズで切り取る

川沿いにある散りゆく桜をオールドレンズで撮ってきました。撮れ高がなかったのですが普段使わないレンズを使いましたので記事しました。

使用したのは本当に久しぶりのオリンパスOMマウントのレンズたち。デジタルカメラになってからはEマウントで時々使用していましたがα7がイマイチだったこともありお蔵入り。OMマウントのボディもフィルムもまだ持っていますがここ数年は使っていません。

今回はZ6に取り付ける為、K&F Concept KF-OMZを購入しました。マウントアダプタの中では廉価な方ですが評判の良いアダプタです。今回使ったレンズの組み合わせではがたつきが少なく使い勝手に問題は感じませんでした。

Z6+600mmF8MIRROR

川面に落ちている花弁と桜を一緒に撮りたくてシグマ600mmF8ミラーを選択しました。買ったのは約13年前ですがピント合わせが難しい上にブレやすく手持ちは難しいので使ったのは数回です。

Z6+600mmF8MIRROR

しかもミラーレンズの個性とも言えるリングボケでボケは汚くなりがちなので背景の処理には気を使います。久しぶりに使ったのでレンズの個性を生かしきれずに何を撮りたいのかわからない写真ばかりになってしまいました。

Z6+600mmF8MIRROR

このレンズ実用性は低いので正直邪魔なんですが売ってもお金にならないのでこのまま持ち続けて行くと思います。

Z6+Zuiko50mmF1.4

Zuiko50mmF1.4はフィルター枠が黒縁のモノコートモデルを使いました。ハイライトの滲みや発色にオールドレンズっぽさが出ますのでそれを生かしたRAW現像をしてみました。

Z6+Zuiko28mmF2.8MC

Zuiko28mmF2.8MCは発色が少し地味なところ以外はオールドレンズっぽさがほぼないので特徴を引き出すのは難しいです。実用レンズとして普通に使う分には何の問題ありません。

Z6とオールドレンズの相性は悪くないのですが、イメージャにゴミが付着しやすくてレンズ交換の度にブロアーでクリーニングする必要があります。オールドレンズを使っているとレンズ交換の頻度が多くゴミの付着は避けられないのでZ9みたいなセンサーシールド機能が付くと嬉しいと思いました。

Z6+Zuiko28mmF2.8MC



2022年4月2日土曜日

わに塚の桜

今年もわに塚の桜へ行ってきました。
知らない人のためにさらっと紹介するとわに塚の桜は、山梨県韮崎市の農地の中にある樹齢330年と言われるエドヒガンサクラの1本桜です。

Z6+AF-S70-200mmF2.8G ED VRII

最近のわに塚の桜は開花が早く満開までの時間も数日とあっという間です。記録的に早かった昨年は3月27日に行っていますが今年もそれに匹敵する早さです。以前は東京の桜が散った頃に満開だった気がします。

Z6+AF-S70-200mmF2.8G ED VRII

Z6+AF-S 70-200mm f/2.8G ED VR II

この日はクルマの温度計が0℃を指す冷え込んだ朝でした。その代わり透明度はよく富士山も八ヶ岳も眺望は非常に綺麗でした。

Z6+Velvet28mmF2.8

着いたのは朝5時半くらいでしたが既に時遅しで駐車場はほぼ満車、撮影スポットは多くの爺さんカメラマンで埋め尽くされてました。一応三脚を持って行ったのですがそんなのを広げるところはありませんでした。朝早くからご苦労様です。

思い返せば一昨年と昨年のこの時期は新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出される直前でお花見は自粛を求められていました。今年はそう言った措置は出されていませんのでようやく平常に戻ったと言えるのかもしれませんね。

Z6+Z 24-70mm f/4S

今回は広角から望遠までまんべんなく使いました。わに塚の桜は近くからでも遠くからでも写真映えしますのでレンズは望遠でも広角でも相応に楽しめると思います。

Z6+Z 14-30mm f/4S

わに塚の桜は西側から見ると富士山と一緒に、東側から見ると八ヶ岳と一緒に写真が撮れるのでカメラマンが集中します。私は朝日が斜め後ろから桜を照らしている北東側から見たわに塚の桜が好きです。(下の写真)

Z6+AF-S 70-200mm f/2.8G ED VR II

こうやって綺麗な桜を管理して毎年無料で見せてくれる地域の方々には感謝ですね。昨年末には保全の寄付を募ったクラウドファンディングを実施したようです。

Z6+Velvet28mmF2.8

また来年も見に行きたいと思います。