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2022年6月26日日曜日

SONY FE40mmF2.5Gを使ってみました

SONYのFE40mmF2.5Gを借りて来ました。

昔はGレンズと言えば明るい高性能レンズというイメージでしたがFE40mmF2.5Gは明るいレンズとは言えません。Gレンズの上にG MasterというシリーズができたのでGレンズは少し格下げされた感があります。

Z6に取り付けた時の動作関係は一通り問題無しでアダプタ経由で使用していることを全く意識せず使えます。金属製の外観はビルドクオリティが高く、絞りフォーカスリング共にスムーズに動きます。フードはフジツボ型で実用性はともかくカッコいいです。
ちなみにExifデータは42mmF2.5と記録されました。

Z40mm f/2を持ってますので簡単ですがそれと比較してみたいと思います。

FE40mmF2.5Gのキャッチコピーは、「圧倒的な小型・軽量設計の鏡筒で、Gレンズならではの高画質と美しいぼけ味」です。
Z40mm f/2のキャッチコピーは、「ボケを活かした表現が気軽に楽しめる、
コストパフォーマンスの高い、小型・軽量 単焦点レンズ」です。
小型・軽量とボケを重視したコンセプトが共通しています。

ビルドクオリティは比較するのも野暮な位、圧倒的にZ40mm f/2がチープです。素材からして違いコストパフォーマンスを求めた製品ですから仕方がないでしょう。ちなみに重量は、FE40mmF2.5Gが173g、Z40mm f/2が170gとほぼ同じです。

レンズ構成は、FE40mmF2.5Gは9群9枚(非球面レンズ3枚)のレトロフォーカス、


Z40mm f/2は4群6枚(非球面レンズ2枚)の変形ガウス型です。

FE40mmF2.5GはフォーカスリングとファンクションボタンとAF/MF切替スイッチと絞りリングと絞りのデグリックスイッチがあります。一方、Z40mmF2にはニコンがコントロールリングと呼ぶ、マニュアルフォーカス、絞り値、露出補正、ISO感度を設定するリング以外のボタンはありません。コンセプトの違いがはっきりと表れています。
AF/MF切替は、カメラ側/レンズ側どちらからでも変更可能ですが、カメラ側の設定が優先されます。この辺はニコン純正レンズを取り付けた時と同じです。

描写の比較です。同じ構図にしてますが適当に手持ちで撮ってますので厳密ではありません。
まずは近接撮影能力の比較から。上がFE40mmF2.5G、下がZ40mm f/2です。FE40mmF2.5Gの方が寄れます。

FE40mmF2.5G(絞りF2.5)

Z40mm f/2(絞りF2)

ピントの合った所のシャープさはFE40mmF2.5Gが圧勝、コントラストが高めで、ボケは自然な感じですがコントラストの高さが影響してかボケの輪郭がはっきりしていて少し騒がしい印象です。

一方Z40mm f/2はフレアがかかった描写でコントラストが低いです。ボケは自然かつ滑らかでフレアと相まって柔らかい描写です。同じF値で比較してもFE40mmF2.5Gはボケが騒がしい感じがします。シャープさを多少犠牲にしてもボケが綺麗な方が良いと感じる人もいますので好み次第でしょうか。

FE40mmF2.5G(絞りF2.5)

Z40mm f/2(絞りF2)

Z40mm f/2(絞りF2.5)

はっきりと差が出たのが口径食です。上がFE40mmF2.5G、下がZ40mm f/2です。

FE40mmF2.5G(絞りF2.5)

Z40mm f/2(絞りF2)

Z40mm f/2(絞りF2.5)

点光源を撮影した時、FE40mmF2.5Gがラグビーボールのような形になるのに対して、Z40mm f/2は円形に近い形を保っています。Z40mm f/2の口径食に関してはかなり優秀なのでFE40mmF2.5Gが非常に悪いというわけではないのですが予想以上の差が出ました。

歪曲収差は、FE40mmF2.5Gは樽型、Z40mm f/2はZマウントのカメラの場合RAWでも強制的に補正してしまうので素の状態がわかりません。FE40mmF2.5GもLightroomでの補正後はほとんど目立たないレベルに補正することができます。今回の比較では条件を公平にするためどちらもLightroomでレンズ収差補正をONにしてRAW現像しています。

FE40mmF2.5G(絞りF2.8)

FE40mmF2.5Gは実売価格は7万円台です。コントラストが高く開放からキレのある描写、質感の高さや機能の豊富さはあります、ボケについてはキャッチコピーの美しいボケには到達できていません。スペックからすると値段は高すぎだと思います。
Z40mm f/2は3万円前後と2倍以上の価格差があります。以前、見た目は値段以下だが写りは値段以上と評している通り、Z40mm f/2はコストパフォーマンスが高いレンズだと思います。

マウント関係なくどちらかを選ぶとすれば開放F値の明るさと値段でZ40mm f/2を選ぶと思います。


2022年6月24日金曜日

Megadap ETZ21とZ6の相性について

Megadap ETZ21はGABALE Electronic Technology(迦百列电子科技有限公司)が製造、日本では焦点工房が販売しているレンズ側Eマウントのカメラ側Zマウントのマウントアダプタで現行品で2代目です。


Zマウントはフランジバック16mmのレンズ上側電子接点の、Eマウントはフランジバック18mmのレンズ下側電子接点です。たったの2mmの厚さの中で接点の上下を入れ替えしてコマンドも変えているのですから凄いですね。

専用の4接点で行うタイプUSB接続機器でファームウェアアップデートができます。今日現在新しいファームウェアはないのでまだやったことはありません。


ニコンZ6にMegadap ETZ21を介して28-75mmF2.8DiIII VXD G2(Model A063)を付けてるとEXIFデータには、28-78mmF2.8と記録されています。着脱はスムーズでガタツキも少なく不安なところはありません。動作も一通り見てみましたが取り敢えず不具合はなさそうです。手ぶれ補正も機能しているようです。


ETZ21の対応レンズについてはMegadapの商品紹介ページにSONY、SIGMA、TAMRON、CarlZeiss、Voigtlander、Samyangに対応、Viltrox、Yougnuoに非対応と書いてあります。

Z6+28-75mmF2.8DiIII VXD G2

Loxia35mmF2を借りて取り付けようとしたところ、ETZ21が回らない!どうやらマウントとバヨネットが干渉しているようです。マウント部の防滴ラバーの潰しが足りずに回らないのではと押しながら回してみましたがこれもダメ。もっと詳しく調べたかったのですがレンズが借り物なので深追いはしませんでした。


焦点工房の公式ページにもLoxiaは対応ということになっています。個体の問題なのか原因は分かりません。ちなみにSONY純正、CarlZeissのBatis、Samyang、TAMRONのレンズも試してみましたが問題ありませんでした。となると怪しいのはLoxia35mmF2ですね。
Z6+FE40mmF2.5G

ということで動作確認をした上でFE40mmF2.5Gを借りてきました。その内容についてはこの次の記事でお伝えしたいと思います。

2022年6月18日土曜日

浄慶寺のあじさい

あじさいが有名な川崎市の麻生山浄慶寺へ行って来ました。

川崎市麻生区の住宅街にある小さなお寺です。カブ110だと3速で失速するくらい急な坂を登って行きます。駐車場はありますが5,6台で満車です。電車を使う際は柿生駅から徒歩圏内です。
Z6+FE40mmF2.5G

境内は少し変わった雰囲気です。羅漢像があちこちに置いてあるのですがその姿にかなり独創性があります。

Z6+Z24-70mmF4S

パソコンに向かっていたり

Z6+Z24-70mmF4S

腕相撲したり

Z6+Z 24-70mm f/4S

ひとりで清酒あじさいを飲んだり

Z6+Z 14-30mm f/4S

宴会したり

Z6+Z 14-30mm f/4S

疫病退散。コロナの早期終息を祈ってのことでしょう。

Z6+FE40mmF2.5G

なんと予防接種!?羅漢さんもやるんですか?痛くて泣いてるんですか?

Z6+Z14-30mmF4S

楽しそうな羅漢の姿は映え狙いでしょう(笑)

Z6+Z 14-30mm f/4S

あじさいは境内に1,000株ほどあるとのことであじさいの撮れ高も十分です。あじさいはちょうど見頃でした。

Z6+FE40mmF2.5G

しかし、あじさいも綺麗ですが羅漢のインパクトに持っていかれてしまいます。それほど広い境内ではありませんが十分楽しめると思います。

Z6+,Z 24-70mm f/4S

ちなみに入場は無料です。お賽銭入れてお参りして次の羅漢に期待を込めて来ました。

Z6+FE40mmF2.5G

今回使ったソニーFE40mmF2.5Gについては後日別の記事にて紹介する予定です。

2022年6月11日土曜日

Megadap ETZ21を購入しました

MegadapのETZ21を買ってしまいました。GABALE Electronic Technology(迦百列电子科技有限公司)という中国の会社の製品で日本では焦点工房が取り扱っています。ソニーEマウントレンズをニコンZマウントカメラに取り付ける為のアダプタです。Amazonで売られていたのでポチリ。後から気づいたのですが国内発売日に買ったようです。

実は私Eマウントレンズを1本も持っていません

では何故購入したのか?理由は、Eマウントレンズを借りて遊びたかったからです。

Eマウントレンズであれば世の中にたくさんありますし、今後Zマウント用レンズが発売された時もEマウント版を借りてきて事前に確認してから購入することができます。これからは、様々なEマウントレンズをZ6に取り付けて遊んでみようと思います。Megadap ETZ21の実用性、互換性がどの程度あるのかに期待ですね。

ETZ21の対応レンズについてはMegadapの商品紹介ページにソニー、シグマ、タムロン、カールツァイス、Voigtlander、Samyangに対応、Viltrox、Yougnuoに非対応と書いてあります。中国製マウントアダプタのくせに中国製レンズには非対応です。ちなみに具体的な機種についての記載はありません。

早速、タムロン28-75mmF2.8DiIII VXD G2(Model A063)を借りてきました。

このレンズは2021年10月に発売されたばかりの新製品です。評判の良かった従来品28-75mmF2.8DiIII RXD(ModelA036)より光学性能が改善されつつ近接撮影能力も強化されるなど非常に評判の良いレンズですが、残念ながら2022年6月現在Zマウント版は発売されていません。

Z6にETZ21を介して取り付けてみました。Eマウント(レンズ)側は回転が重く渋かったのですがZマウント(カメラ)側はスムーズでした。取付部のガタツキは非常に少なく不安なところはありません。動作も一通り見てみましたが手ぶれ補正も機能しているようで取り敢えず不具合はなさそうです。

今回、開成町のあじさいの里で使ってみました。現地到着を待ち構えていたかのように大粒の雨が降り出すという雨男🌂らしい展開にガッカリしつつもA063を使って撮り回ってみました。

Z6+28-75mmF2.8DiIII VXD G2

AFはリニアモーター搭載で無音で素早く合焦、AEの精度、手ぶれ補正など申し分なく十分実用に使えます。ただし、ソニーαシリーズのカメラに取り付けた時の挙動を見ていませんのでソニー製カメラに対してどうなのかまでは確認できていません。

Z6+28-75mmF2.8DiIII VXD G2

焦点距離28mm時で18cm(0.37倍)、70mmでも38cm(0.24倍)とどの焦点距離でも寄れてしかも絞り開放からキレのある描写でボケは綺麗とマクロレンズの出番がありません。Zマウントにはタムロン28-75mmF2.8 DiIII RXD(ModelA036)のOEMと思われるZ28-75mmF2.8がありますが、後発製品であるA063の方が当然評判がいいので是非Zマウントで発売してもらいたいですね。

Z6+28-75mmF2.8DiIII VXD G2

サイズ、価格帯的には純正のZ24-120mm F4Sと近く悩ましいところです。

緩い感じの写真が撮りたくなった時は、レンズをLensBaby Velvet28mmF2.5に交換です。

Z6+Velvet28mmF2.5

広角ソフトフォーカスレンズで扱いが難しいですが、あじさいを撮りつつ遠くの風景を入れたいときに使えます。梅雨らしいウェットな雰囲気を出すにはちょうどいいかな、と思いましたがソフトになると雨滴がほとんど見えなくなってしまいます。

Z6+Velvet28mmF2.5

F5.6まで絞るとソフト感がほぼなくなり普通のレンズになってしまいますので絞り過ぎに注意です。

Z6+28-75mmF2.8DiIII VXD G2

MegadapのETZ21とTAMRON 28-75mmF2.8DiIII VXD G2(Model A063)とのマッチングはかなり好印象でした。これからも継続的にEマウントレンズを借りてZ6とのマッチングをレポートしていきたいなと思います。




2022年6月6日月曜日

Nikkor-H Auto 50mm F2を使ってみました

 近くのカメラのキタムラにふらっと立ち寄った時にNikkor-H Auto 50mm F2の中古が\2,980で売られていました。「安いなぁ」と思いましたが個人的に寄れないレンズ(このレンズの最短撮影距離は60cm)は使わなくなる傾向が多いことが分かっているので購入には至りませんでした。

”Nikkor-H Auto 50mm F2”で検索するとにニッコール千夜一夜物語の第二夜の記事が出てきてレンズ構成図が紹介されています。発売は1964年なので半世紀以上前のレンズということになります。

見ての通りほぼ対称と言える4群6枚のダブルガウス型です。標準レンズの多くは変形ガウス型と言われる撮像面側に凹レンズを追加した5群7枚構成であったり、レンズ貼合わせ面を分割していたりと対称とは言い難いレンズ構成であることがほとんどです。これは俄然興味が出てきました。どんな写りをするか試してみたい。

で、実は今Nikkor-H Auto 50mm F2が手元にあります。

値段の安さに負けて買ってしまったわけではありません。家の防湿庫の中にありました。店で購入した記憶がないので大量にレンズを譲ってもらった時に一緒についてきたレンズでしょう。自分の持っているレンズを把握できていないのです。完全にボケてますね

Nikkor-H Auto 50mm F2をZ6につけて撮ってみました。なお、Nikkor-AutoはFTZ非対応ということになっていますが、一応このレンズは装着可能でした。個体差があるようなので自己責任でお願いします。

普及版として開発されたレンズですが、金属が多用されていてビルドクオリティは非常に高いです。モノコートレンズの反射が綺麗な青色で今となっては個性を主張しているように感じます。最短撮影距離は60cmということになっていますが指標を見ると60cmの少し先、55cmくらいまで繰り出せる構造になっています。とはいえ寄れないことに変わりはありません。

絞り開放ではピントがあったところもフレアが取り囲んでいて独特の雰囲気があります。

全体的にフレアっぽいですが、軸上色収差や倍率色収差は少ないです。コントラストはかなり高めで色階調を落としたかのような色再現でレタッチしてもシャドウやハイライトのトーンが出てきません。発色はかなり渋めでモノクロ時代のレンズですが色の偏りは少ないです。周辺光量低下は少なく目立ちません。

後継のAi50mmF1.8sもハイコントラストですがそれに匹敵するコントラストの高さです。人によっては扱いにくさを感じるかもしれません。

そんなハイコントラストを生かしてモノクロで現像するというのもしっくりくる気がします。

F2.8まで絞るだけでフレアが大幅に減ってコントラストが高い力強い描写になります。ボケは自然ですが絞ると6枚羽根の絞りの形が出てしまいボケの形がうるさくなってきます。


このレンズの個性は絞り開放のフレアだと思います。少し絞るとフレアがなくなり実用レンズになります。オールドレンズにしては優秀過ぎてつまらないかもしれませんね。


手軽にオールドレンズテイストを味わいたいのであれば良い選択だと思います。個人的には寄れないレンズは使わなくなる傾向にあるので時々使ってやらないとまた存在自体を忘れてしまうかもしれません。