発売されたばかりの70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)Zマウント版を借りてきました。
このレンズのコンセプトは「気軽に楽しむ、望遠300mm」、世界最小・最軽量望遠ズームレンズを謳っています。
小型軽量を実現するため手ぶれ補正、AF/MF切り替えスイッチ、ファンクションボタンといった機能は搭載されていません。
しかしながら実物を手にした第一印象は「どこが?」という感想でした。最大径φ77mm、全長150.3mm 、質量580gです。 手ぶれ補正はないですし望遠端のF値も1/2段暗いので一眼レフ用の70-300mm F4-5.6用よりも小さい筐体を予想していましたがイメージとはまったく違いました。
一例としてかつてあった同社のAF70-300mm F/4-5.6 XR Di(A17)はモータ内蔵モデルで最大径φ76.6mm、全長116.5mm、質量435gです。一眼レフ用の方が小型軽量です。
レンズ構成は10群15枚。LDレンズを1枚使用しています。同社のSP70-300mm F/4-5.6Di VC USDに非常に良く似ていますのでおそらくこれをベースに設計したのでしょう。
レンズ間隔がかなり開いているので素人目には沈胴式のズームにして全長をもっと短くできないのかなぁと思ってしまいます。
トリミングしています |
AFは無音で合焦速度も速いです。フォーカスリングはマウント寄りで操作時の重量バランスが悪いですがこのクラスのレンズのフォーカスリング使用頻度を考えれば仕方がないかもしれません。AF/MF切り替えスイッチがレンズにはないのでカメラ側で操作しなければならず頻繁に切り替えるような使い方をする人にとっては使いにくいでしょう。
写りは、絞り開放では色収差と若干フレアがみられ甘い描写です。特に高輝度の被写体で目立つ意向があり青色の倍率色収差が被写体によっては目立ちます。軸上色収差は殆わかりませんでした。歪曲収差はよく抑えてあるようです。
最短撮影距離は0.8〜1.5m、撮影倍率で0.106〜0.196倍とかなり寄れない方でしかも描写はかなり甘くなる傾向がありました。ボケは自然で非常に綺麗です。暗いとは言え300mmなのでそれなりにボケてくれます。ゴーストやフレアの発生は非常に少なく逆光での撮影は気にせずできます。
ズームリング、フォーカスリング共に回転トルクは少し重めの設定です。ズームリングにロックスイッチはありませんが自重で落ちてくることはありませんでした。フードは丸型のバヨネット式でクリックストップは適切な重さでガタツキは少ないです。外観の質感は、70-180mm F/2.8 Di III VXDと同じ印象ですが、操作感の違いから70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの方がビルドクオリティは高いと感じました。
価格はZマウント版で実売価格で約7万円と安いとは言い難いお値段です。ソニー用は約5万円なので40%も高いです。円安による価格調整とファームアップ用USB端子が搭載されたことによるコストアップでしょう。
小さくて寄れるレンズが多い最近のタムロン製レンズの中では正直期待はずれでした。手ぶれ補正がないとか寄れないといった伸びしろをかなり残していますので今後の進化に期待したいところです。Zマウントユーザーは次機種を待つか一眼レフ用の300mm望遠ズームを使い続けた方がいいかもしれません。
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