対応マウントも焦点距離も異なる異種格闘技のようなものなので優越をつける意味はないと思いますが、現行品で比較的安く入手できるマクロレンズということで比較してみたいと思います。
どちらもマクロレンズではありますがコンセプトが異なります。
Z MC 50mm f/2.8のキャッチコピーは、マクロ撮影からスナップ、テーブルフォトまで幅広いシーンで気軽に写真表現を楽しめる、小型軽量の高性能マイクロレンズです。
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Artのキャッチコピーは、圧倒的な解像感とヌケ感です。別名「カミソリマクロ」です。
どちらも共通していることはフォーカス方式に前群繰り出し式を採用している点です。
その方式を採用した理由が異なり、Z MC 50mm f/2.8が鏡筒の小型化なのに対し、70mm F2.8 DG MACROは高画質を達成としています。小型化はユーザーにとって分かりやすいメリットですが、高画質は同じ仕様のインナーフォーカスレンズを作って違いが分かるのか?と聞かれるとおそらく分からないと思います。
高性能なのは70mm F2.8 DG MACRO ARTでしょう。ヌケ感の高いキレのある画像は見ていて気持ちいいです。
Z6+70mm F2.8 DG MACRO ART |
では、Z MC 50mm f/2.8がダメなのかというとそんなことはないです。十分シャープですし、ボケはとても綺麗です。
Z6+Z MC 50mm f/2.8 |
無意味だよな、と思いつつ同じ被写体を撮ってみました。
Z6+70mm F2.8 DG MACRO ART |
Z6+Z MC 50mm f/2.8 |
どちらも絞り開放です。焦点距離が違いがボケ量に出てしまうのでレンズの違いはひとめで分かります。これだけ見ても70mm F2.8 DG MACRO ARTキレの鋭さが分かると思います。ただシャープなだけでいいというわけではないのがレンズの奥深さで花の様な被写体の場合、ピントの合ったところからボケへの遷移が滑らかな方が好みという人いると思います。
70mm F2.8 DG MACRO ARTの方がマクロ撮影時にワーキングディスタンスという面では有利そうに見えますが、前群繰り出しの量が多いため大して変わらないです。
Z6+Z MC 50mm f/2.8 |
Zマウントユーザーであれば、Z MC 50mm f/2.8をお勧めします。理由は純正だから。Eマウントレンズをアダプタを介して運用よりずっと信頼性は高いです。
Z6+70mm F2.8 DG MACRO ART |
ニコンZマウントの場合、中望遠マクロはZ MC 105mm f/2.8 VR S一択です。ただし手振れ補正付レンズでかなり大きく重く、しかも高価です。そこで悩んでいる場合は、70mm F2.8 DG MACRO ARTが良い選択です。マウントアダプタを購入することを考えるとコストパフォーマンスが高いとは言えませんが、そこそこの大きさ重さで性能は満足できます。
0 件のコメント:
コメントを投稿