ニコンのマイクロレンズZ MC 50mm f/2.8を使ってみました。
キャッチコピーは、マクロ撮影からスナップ、テーブルフォトまで幅広いシーンで気軽に写真表現を楽しめる、小型軽量の高性能マイクロレンズです。どんなシーンでも使えるってことで一言でまとめるとオールマイティレンズってところでしょうか。
外観は、塗装されたプラスチック製で軽いということもあり質感が高いとは言えませんが、鏡胴のガタツキも少なく強度的には問題なさそうです。軽量であることは間違いありませんが、小型かどうかは少し疑問でフィルター径46mmに対して最大径74.5mmとレンズに対してメカスペースがかなり多いことが分かります。
レンズ構成は7群10枚で、EDレンズ1枚、非球面レンズが1枚使用したことで、色にじみや縁に色づきがないことアピールしています。
伝統的なレンズ構成とは大きく異なっていて強いて言えばクセノタール(ビオメター)の後方にレンズを追加したような非対称の構成です。
MTF曲線が少し変わっていて高周波(30本)のMTFが像高5mm付近から大きく落ち込んでいます。
AFはステッピングモータによる前群繰り出し式です。フォーカスリミットスイッチは、Fullかマクロ領域の2択で無限遠から0.4m付近に制限する選択肢がありません。メーカのいうスナップ、ポートレート、風景まで快適に使用するには制限を設ける配慮があってもいいのではと思います。AF音は静かですが無音ではなく、昨今のレンズにしては音が大きい方ですので動画撮影には適していないと思います。
電源オフまたはスタンバイ状態になるとレンズは自動的に沈胴します。置きピン、MFであっても問答無用で沈胴しますので使い方によっては不便と感じるかもしれません。
F値表示はニコン伝統の実効FNo.で、等倍で絞り開放時のF値表示はF5.6です。露出倍数を計算する時にはこの表示は有効だとは思いますが今はTTL測光が当たり前の時代なので計算する必要はなく、しかも露出倍数はマイクロレンズだけでなく他のレンズにもあるのにマイクロレンズだけ頑なに実効FNo.表示を続ける理由がわかりません。せめてカメラ側の設定で変えられるようにして欲しいです。
写りは、シャープでキレがあります。ボケも非常になめらかかつ綺麗で玉ボケに不自然な模様もありません。試しにポートレートを撮ってみましたが肌のトーンが滑らかで非常にいい仕上がりでした。
Z MC 50mm f/2.8の価格は新品で8万円前後、中古で6万円台です。描写力は価格相応だと思いますが、外観質感は低いと感じました。
個人的には50mmマクロは等倍だとワーキングディスタンスが少なく使い道が難しいので撮影倍率1/2倍に抑えてその代わり開放F値を1段明るくしてF2にしてもらいたいと思ってます。マクロ(マイクロ)レンズ=等倍というイメージが強いのでマクロレンズとして販売するには商品力不足になってしまうかもしれませんがオールマイティなコンセントには一致すると思いました。
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