迷走する望遠ズームの選択。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDを購入しました。借りて使ってみてボロクソに書いたくせになぜこうなったのか。
色々使ってみたけど70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDが一番マシだったのです。手ぶれ補正がない、描写が期待したほど良くないと書いてます。一方で他の候補も借りたり買ったりしたもののいずれも大した差ではなく、動きものを撮る機会が多い望遠レンズにとってAF性能は外せない項目であることも再認識してネイティブマウントのこのレンズが良いのではという結論に至りました。
名称 | 100-400mm F5-6.3 DG DN OS C | SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD | 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD |
メーカ | SIGMA | TAMRON | TAMRON |
レンズ構成 | 16群22枚 (FLD1枚、SLDレンズ4枚) | 12群17枚 (XLD1枚、LD1枚) | 10群15枚 (LD1枚) |
最短撮影距離[m] | 1.12(W)/1.60(T) | 1.5 (T) | 0.8 (W)/1.5 (T) |
最大撮影倍率 | 0.24(T) | 0.25(T) | 0.11(W)/0.196(T) |
フィルター径[mm] | 67 | 62 | 67 |
絞り羽根枚数[枚] | 9 | 9 | 7 |
手ぶれ補正 | 〇 | 〇 | × |
サイズ[mm] | φ86.0 × 199.2 | φ81.5 × 151.1 | φ77 × 150.3 |
質量[g] | 1140 | 765 | 580 |
中古相場 | ¥90,000前後 | ¥18,000前後 | ¥60,000前後 |
マウント | Eマウント | Fマウント | Zマウント |
以前書いた感想をベースに改めて使い勝手をレポートします。
このレンズのコンセプトは「気軽に楽しむ、望遠300mm」、世界最小・最軽量望遠ズームレンズを謳っています。小型軽量を実現するため手ぶれ補正、AF/MF切り替えスイッチ、ファンクションボタンといった機能は搭載されていません。レンズ構成は10群15枚。LDレンズを1枚使用しています。同社のSP70-300mm F/4-5.6Di VC USDに非常に良く似ていますのでおそらくこれをベースに設計したのでしょう。
最大径φ77mm、全長150.3mm 、質量580gです。 手ぶれ補正なし、望遠端のF値は1/3段暗いので一眼レフ用の70-300mm F4-5.6よりも小さい筐体を予想していましたが思ったほど小さくはありません。
最短撮影距離は0.8〜1.5m、撮影倍率で0.106〜0.196倍と寄れない印象です。ただ、以前の70-300mmクラスのレンズの最短撮影距離は全域で1.5mが普通でしたので使い勝手は少し良くなりました。
ズームリング、フォーカスリング共に回転トルクは少し重めの設定です。ズームリングにロックスイッチはありませんが自重で落ちてくることはありませんでした。一方でフォーカスリングは少しザラついた感触があります。
フォーカスリングの設定は機敏すぎるようで手で触れただけでもMFになってしまいます。もうちょっと鈍感でもいいと思います。残念ながらTAMRON Lens Utilityでも回転のリニア、ノンリニアの設定はありますが敏感度の設定はないようです。
フードは丸型のバヨネット式でクリックストップは適切な重さでガタツキは少ないです。外観の質感は、70-180mm F/2.8 Di III VXDと同じ印象ですが、操作感の違いから70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの方がビルドクオリティは高いと感じました。
AFは高速かつ静粛で概ね良好なのですが、大デフォーカス時にどこにピントを合わせたら良いのかわからずにダンマリということがありました。MFにしてデフォーカス量を小さくしてあげると合わせてくれるようになります。
描写はキレキレではないもののシャープでディテールはしっかりと表現できていて2400万画素クラスであれば困らないレベルではあります。LDレンズの使用枚数は僅か1枚で望遠ズームでは高性能を謳うレンズほど使用枚数が多くなる傾向にある中でよくこの性能が出せたなという印象はあります。ボケは自然かつ綺麗で軸上色収差が見られないところが現代的です。F値が暗いとは言え300mmなのでそれなりにボケてくれます。ゴーストやフレアの発生は非常に少なくA005と比べると技術の進歩を感じます。
焦点距離的にみてニコンZ 24-70mm f/4Sのお供にしたくなりますがちょっと緩い写りなので物足りない印象があるかもしれません。
小さくて寄れるレンズが多い最近のタムロン製レンズの中では正直期待はずれでした。手ぶれ補正がないとか寄れないといった伸びしろをかなり残していますので今後の進化に期待したいところです。結論については基本的に変わりませんがフルサイズZマウントの手軽な望遠ズームはこれ一択ですので今すぐ欲しい人はこのレンズをしかないというのが現実です。正直一度出した結論を覆して購入した自分に納得がいかないですw
個人的には¥70,000という価格は高いと思いますが、望遠ズームとしてもタムロン製Zマウントレンズとしても最も安いので私の感覚がおかしいのでしょう。
ちなみに手ぶれ補正がついた場合の値段を予想してみました。70-180mm F/2.8 Di III VXDと70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2はの実売価格差が約\25,000ですのでもし70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの手ぶれ補正付きの価格は¥95,000になると予想します。現状\100,000前後で買える望遠ズームがないので売れる見込みはあると思われます。
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