久しぶりの大型物件です。
その地域では割と知られた比較的大きな温泉街にある廃墟です。とは言え温泉街全体が鄙びた雰囲気で営業してるホテルも老朽化が目立ちます。私にとっては比較的身近な廃墟なのですが訪れる機会がなくやっと訪問できました。同じ市内に同一名称のホテルがありますが、それとの因果関係は不明です。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
ホテルはエントランスが中途半端に破壊されていわゆるウェルカム状態ですが、近隣に現役ホテルがあるため侵入はかなり目立ちます。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
厨房に残されていたカレンダーから2003年頃に廃業したと思われます。2006年にたまたま撮影していた写真(下)は既に廃墟状態になっていました。
 |
D200+AF-S DX VR18-200mmF3.5-5.6G |
このホテルは地下1階、地上6階の構造です。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
地下は大浴場、1階がエントランスとバー竹葉と露天風呂、2階が宴会場兼食堂、3階~6階が客室になっています。1階と2階は天井が高く建物の床面積も大きいつくりになっています。
眺めの良い露天風呂というのが気になったのでまず紹介したいところですが建物が歪んでしまったのか扉が開かず断念しました。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
地下1階にある大浴場へ続く廊下は光が全く入らず闇の中でした。浴室は建物が斜面に建っていて屋外に面している為、窓があり光が差し込んでいます。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S
|
まず目に行くのが綺麗な青色にペイントされた天井です。あまり見ないセンスですね。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
浴室に対して浴槽が大きめです。逆に洗い場は狭いです。もう1つの浴場も青い天井で似たような雰囲気でした。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
この温泉に関してはちょっとだけ詳しいので書きますと源泉は58℃でポンプで汲み上げた源泉は一旦山の上にあげてそこから落として各旅館に配布しています。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
豊富な湧出量を生かした源泉かけ流しが可能ですが源泉温度が高いので加水等で温度調整をしないと入れません。ちなみに山の上に源泉をあげているのも温度調節の一環です。
1階エントランスは人目につくし、廃棄物置き場ったのでほぼスルーしました。一応奥には竹葉というバーがありましたが暗くてまともな写真が撮れませんでした。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
2階は宴会場です。舞台にはこの地を収めた有名なお城の絵が描かれています。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
舞台裏には階段がありますが控室などはなく単なる非常口でした。天井に障子を模した飾りが施されていて廃墟になった今は一部ぶら下がっています。天井から雨漏りが発生して畳は一部腐食が進んでいました。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
2階の廊下には備品が沢山並んでいました。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
宴会場の隣は厨房です。6階建てのホテルにしては規模が小さい気がします。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
3~6階は客室です。和洋室の造りで入り口付近はフローリングで奥が畳になっています。1フロア当たりの客室が5部屋で部屋は広めで家族連れがゆったり過ごせるような造りになっています。川が見える側の部屋は、窓が建物からせり出したような造りになっていて眺めが良いです。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
部屋風呂はトイレと同じ部屋です。深い浴槽を設置した為か浴槽の位置が非常に高く背の小さい人やお年寄りには厳しい造りです。ちなみに蛇口の類は外されて金属泥棒に皆持っていかれていました。
 |
Z6+Z 14-30mm f/4S |
駐車場側の部屋は、オレンジ色の非常に派手なソファが目立ちます。窓から見える建物はホテルIよりも規模の大きい現役ホテルです。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
確か3階だと思うのですが生活感のある部屋がありました。本や洋服や散乱、ゲーム機、食べ物のゴミ、ベッドが置かれている部屋もありました。恐らく宿泊客用ではなく経営者か従業員が住んでいた可能性が高そうです。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
給湯室にはお約束のエロ本が散らばっていました。そういえばこの温泉街は東北で最後のストリップ劇場があった場所です。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
ホテルIは温泉街の川沿いで眺望は良いし、部屋の広さもあるので営業当時はそこそこの宿泊費のホテルだったと思いますが、周囲との競争には勝てなかったようです。そんな近隣の大型ホテルも実は一度破産していて自己再建中です。不運にも見放されたホテルIは20年近く廃墟として残っています。
 |
Z6+Z 24-70mm f/4S |
後日談
このホテルの経営者は既にこの世にはおらず遺族も遺産放棄したそうで解体費用約1億円が確保でき次第解体することが決まったようです。時期は分からないですが決まると早いのが廃墟の解体なので気になる人はお早めに訪れることをオススメします。