ニコンは公言してませんが、外観、レンズ構成ともにタムロン70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056、以下タムロンA056)そっくりでZ 70-180mm f/2.8はこのタムロンのOEMであることは間違いないでしょう。
タムロンA056は以前Eマウント用をETZ21を介して使用したことがあります。感想は、その時の印象をまとめると見た目は非常にチープだけど写りはとても優秀で、コンパクトかつ寄れる素晴らしいレンズでした。本レンズは基本的にはタムロンA056と同じ仕様ですが、一部違いがありモーターがリニアモータからステッピングモータに変更、最短撮影距離までAFが対応、テレコンバータに対応していることが異なる点です。
最大径φ83.5mm×全長151mm、質量795g。このクラスとしては群を抜いて小型軽量です。レンズ筐体にスイッチはズームロックスイッチのみと潔く省略されています。AF/MFや手ぶれ補正のON/OFF等を頻繁に切り替えたい人は気になると思います。
外観はプラスチック製で未塗装のように低い質感だったタムロンA056と比較すると多少は良くなっているように感じますが値段の割に質感は低いと思います。三脚座はオプションですら用意されていませんがレンズが軽いので不要です。70-300mmF4-5.6クラスの望遠レンズを使っている感覚で使用できます。
AFはステッピングモータ駆動で動作音は皆無で非常に素早く合焦します。ニコンがステッピングモータに拘る理由は分かりませんが、あくまで個人的な予想ですがステッピングモータであれば電源OFFの状態でも自己保持力で止められるのに対してリニアモータ駆動では別途メカニカルロックを設けない限りフリーの状態になってしまうからだと思われます。
近距離の被写体を撮りたいのに遠方の被写体にピントが合ってしまうことがありましたがメーカHPにもその旨言及されていますし、マクロレンズのピント合わせはMFが基本だと思いますので仕様の範囲内でしょう。
レンズ側に手ぶれ補正機能(VR)はついておらずボディ内手ぶれ補正に依存することになります。今回使ったところでは効きも良く必ずしもレンズ内に搭載されている必要はないという印象を持ちました。ただしZ 70-200mm f/2.8 VR Sのピタッと張り付いたように良く効く手ぶれ補正と比較すると見劣りします。
描写は開放からキレのあるシャープでボケも滑らかで十分満足できる写りです。色収差は軸上も含めてほとんど見受けられません。発色の偏りもなくコントラストも適正でディテール描写にも優れています。
たまたまタムロンA056で1年前に似たような写真を撮っていたので載せておきます。絞り、光の状態、カメラの設定など条件が違いすぎて比較になりませんね💦
最短撮影距離付近は少々柔らかめな写りになりますが実用性は十分にあります。公式HPには周辺に流れが生じる旨の注意点が書かれています。空蝉の写真では周辺の流れが目立ちますが、ハスの花のドアップではそれほど目立ちません。使い方次第では十分実用となると思います。
Z 70-180mm f/2.8は高い描写力とAF性能かつ小型軽量でこれで十分という実力を持っています。堅牢性、防塵防滴性能を重視する人には向いていませんが取り回し良さをメリットに感じる人は魅力的なレンズだと思います。ちなみにZ 70-200mm f/2.8 VR Sを使うと高精度な手ぶれ補正、高い質感、堅牢性があり上には上があることを実感させられます。比べない方が幸せかも!?しれません。
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